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公開日 2025年9月3日

職業基礎教育

職業基礎教育は、若者にとって仕事の世界への入り口となる。企業と職業 訓練校という 2 つの場所で学ぶデュアルシステム(レーレ)が、仕事の世 界との直接的な関わりを可能にする。提供されている教育は、現実にニー ズのある職業資格と実際に空きがある働き口に対応したものである。

時計工場で学ぶ時計職人見習生

スイスの若者の約 3 分の 2 が義務教育修了後、職業教育を受ける。中等教 育課程 II にあたる職業基礎教育は、レーレと呼ばれ、15 歳から通常 18 歳 または 19 歳までに修了する。この実務にフォーカスした基礎教育がある という点が、学校での教育が中心の教育システムをもつ他国とスイスの違 いである。

デュアルシステム:研修先企業での教育

多くの若者が利用するこの職業教育の方法は、デュアルシステムと呼ばれ る方式に則っている。研修生は、週のうち 3、4 日を研修先の企業で働 き、仕事を実務的に学ぶ。その他の時間に、職業専門学校で理論的な知識 を学ぶ。企業の境界を超えたプログラムがあることで、教育はより充実し たものになっている。研修期間全体を通じて、研修先の企業から研修生に 対して給料が支払われる。

職業教育では、公式に承認された約 250 種の職業から選択できる。2025 年に研修職業として最も多く選ばれた職種には以下がある。

  • 営業
  • 情報処理
  • 医療分野
  • 小売業
  • 介護
  • 医療アシスタント
  • 製図家

期間は、職業によって 2 年、3 年または 4 年である。生徒には、修了試験 に合格すると連邦技能資格 (EFZ)、または、連邦職業証明書 (EBA) が付与 される。これらはスイス全土で有効である。

職業的大学入学資格:専門大学への道

専門大学入学資格を取得する課程は、職業基礎教育に一般教養教育が補わ れて行われる。追加の授業は、通常、週半日で、初年度にスタートする。 この課程で学ぶには、成績証明書や入学試験、実習先の同意などが必要と なる。この教育課程は職業的大学入学試験に合格することにより修了とな る。職業的大学入学資格の保有者は、職業教育を受けた分野と関連のある 分野の専門大学に入学する権利を持つ。

教育現場と労働市場が近いことによる若者の失業率の低さ

スイスの職業教育の特徴は、労働市場への近さにある。職業教育は、実社 会でニーズのある職業資格と実際に空きのある働き口に対応して行われ る。このように労働市場と直接つながっていることから、スイスは他国と 比べてもトップクラスの若者の失業率の低さを誇る。

スイスの職業教育は融通性が高い。基礎教育や、より高等な教育を受ける ことに加え、キャリアの途中での職業変更も、回り道なしに行うことがで きる。

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