スイスの定期的な間隔の時刻表の物語
「スイス製」であることは高い品質と精度を示す証であると、世界中の人々が知っています。これはチョコレートでも洗練された時計でも同じことです。しかし、スイスのイノベーションの中にはあまり知られていないものもあります。パターンダイヤはスイスで生み出され、スイスの公共交通に革命を起こしました。しかしピンと来る人は多くないでしょう。このパターンダイヤというスイスの発明を、ここで紹介します

ヴァレー地方に位置する、冠雪した山々に囲まれた人口541人の村、シュタルデンリートへ旅行することを想像してみましょう。この魅力的な村は辺ぴな場所にありますが、アクセスは完璧です。谷へ降りていく定期運行のロープウェイに乗れば、その先で連絡する列車がもう待機しています。こうしたことが、スイスでは数十年前から実現しています。1982年に導入されたパターンダイヤは、この国のモビリティを根本から変えました。定期的な間隔で運行される公共交通は高い信頼性を誇り、完璧に相互調整されています。パターンダイヤは公共交通にとっての柱として評価されてきました。都市間のみならず辺境の地域もが、このシステムにより結ばれています。
発明したのは変わり者たち?
パターンダイヤの誕生は公共交通にとって画期的な出来事でした。1960年代、当時ますます人気が高まっていた自動車への対抗という課題を、鉄道は抱えていました。また高速道路網の構築によって、個別交通にさらに注目が集まっていました。そんな折、スイス連邦鉄道(SBB)の中にあった、未来志向でビジョンを持った社員チームが、スイス全体を見通したダイヤを作り、列車を相互に連絡させるという画期的なアイデアを生み出しました。当時のチームは後年、「変わり者クラブ」と揶揄して呼ばれます。
徹底的な分析と幅広いインフラ構築を経て、パターンダイヤは1982年に導入されました。それ以来、スイス国民の日常は恒久的に変化しました。接続の保証、ストレスのない乗り換え、定期的な間隔での運行が実現された結果、公共交通の競争力は強化され、単なる自動車の代替手段を越える存在になりました。
未来のモビリティ

40年以上も前に誕生したパターンダイヤですが、今も継続的に改善が加えられています。バーン2000計画によって、旅客処理能力が高められ、接続が改善され、信頼性が向上しました。SBB 2030という新たなビジョンでは、スイスが考える未来のモビリティが示されています。その中で焦点が当てられているのは持続可能性、デジタル化、そして効率性です。これまで定評を得てきた基本方針を維持しながら、高速鉄道線から革新的な情報システムにいたるまで、公共交通に対して未来に向けた準備が行われています。
パターンダイヤの精度を体験されたい方は、チューリッヒにあるネグレッリ橋を是非訪れてみてください。この橋からは、毎時00分近くになると多くの列車が中央駅に到着し、数分後すぐに出発する様子を眺めることができます。一日に数千人の通勤通学者、そして旅行者を感動させるこの光景は、スイスのパターンダイヤの精緻さを示すシンボルです。
国内を一枚のチケットで

スイスを旅行する際に、正しい切符を購入できるか心配する必要はありません。なぜならスイストラベルパスがあれば、国内すべての公共交通を利用してスイス中を好きなだけ旅行できるからです。世界的に有名なスイスの列車に乗ってパノラマ展望を楽しむもよし、美しくきらめく湖をのびのびと船の上から満喫するもよし。またスイストラベルパスは旅を簡単にするだけでなく、持続可能性にも貢献します。加えて、1980年代に導入されて以降、常に進化を遂げてきたパターンダイヤのおかげで、乗り換えに長時間待つことはありません。スイストラベルパスのメリットはそれだけではありません。利用者には、例えば登山鉄道の割引切符や、芸術にご興味をお持ちの方には嬉しい500以上の博物館・美術館の無料チケットなど、特典があります。家族での旅行ならスイストラベルパスは2倍お得です。スイストラベルパスを持った大人に16歳未満の子供が同伴する場合、大人1人につき子供1人が無料になるからです。スイストラベルシステム株式会社は、スイスの公共交通に関する広報をTravel Switzerlandという新ブランドのもと行っています。しかし、すべてのお客様に鉄道、バス、船を快適にご利用頂き、美しいスイスを旅行して頂くというミッションに変わりはありません。