貿易
原材料に乏しく、優秀な労働力に恵まれているスイスは、他国との貿易関係を重視している。最も重要な貿易相手国はEU、とりわけドイツである。
スイス経済は外国貿易に大きく依存している。2023年の輸出総額（物品およびサービス）は3,780億スイスフランだった。一方、輸入総額は3,290億スイスフランだった。スイスは定期的に貿易黒字を出している。
サービス産業（銀行、保険会社、ライセンスなど）は、スイスの対外貿易において重要な位置を占めている。この分野は、輸出の約4分の1、輸入のほぼ3分の1を占めている。国内消費では、サービス産業の重要性がさらに高まり、全体でスイスのGDPの70％以上を占めている。
物品の貿易
税関統計によると、2023年にスイス経済は2,740億スイスフラン相当の物品を輸出している（通過貿易を除く）。この金額のほぼ半分は、ドイツを筆頭とするEU諸国への輸出に関連している。スイスの最も重要な貿易相手国はアメリカで、輸出品の約18％を締めている。スイスの最も重要な輸出品は、化学・製薬産業（49％）、機械（12％）、時計（10％）、および精密機器（7％）の製品である。
輸入品の約3分の2（2023年には2,260億スイスフラン）は、EU諸国からのものである。ドイツだけで輸入品の25％以上を占めている。輸入品の大半を占めるのは、化学・製薬産業、並びに機械、電子機器、自動車である。
さらに、原材料（コーヒー、綿花、油、鉄鉱石、アルミニウム、金、銅など）の取引が重要性を増している。スイスは現在、原材料取引において世界で最も重要な役割を果たしている。貴金属と宝石の割合は、輸出・輸入ともにすでに20％を超えている。